2008年08月26日

「センゴク」で正しく評価して欲しい武将たち 北条氏政
昨日の続き。

「センゴク」で正しく評価してもらいたい武将がもう一人いる。

北条氏政。

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小田原城を中心に相模の国(現在の神奈川県)を支配した北条家の第4代当主である。

彼の描かれ方は今川義元にとても良く似ている。豊臣秀吉の小田原城攻めの際に篭城
して抵抗するも破れ、弟・氏照とともに切腹させられた「敗軍の将」。篭城か野戦かで紛糾
した軍議を小田原評定を揶揄したことともあわせ、敗者として描かれた彼の人物像は非常
に低いものになっている。

だがこれは大きな誤りである。実際の北条氏政は稀代の名将であったと私は考える。

まず北条家は相模だけの小大名だと勘違いしている人が少なくない。なにせこの時代の
一般的な描き方の主流は織田信長の領土拡大と、それに続く秀吉の天下統一であり、
同時代の関東以北にはあまり脚光があたっていない。だが実際には、度重なる戦闘勝利
と巧みな外交戦術とで関東一円(今の静岡、神奈川、千葉、東京、埼玉、茨城、栃木、群馬)
を実質的な支配下においた大大名なのである。

武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。歴史に名高い大大名たちと幾度
も戦い、ときには同盟し、着実にその領土を広げ北条氏の最大版図を築いたその実力は
「関東の覇者」として北条早雲や北条氏康といった先代にまったく引けをとるものではない。

薩摩(鹿児島)から九州を制した島津義久、土佐(高知)から四国を制した長宗我部元親、
中国地方を制した毛利元就。東北を制した伊達政宗。そして関東を制した北条氏政。皆、
中京〜近畿から勢力を拡大した秀吉に敗れ去るわけであるが、その中で北条氏政だけ
評価が低いのは納得いかない。

「センゴク」は主人公・仙石権兵衛秀久が名誉を回復する小田原・北条攻めがクライマックス
となるであろう。その際はぜひ、北条もきちんとまっとうな評価をされることを願ってやまない。

2008年08月25日

「センゴク」で正しく評価される武将たち 今川義元
ヤングマガジン連載中の「センゴク」(作・宮下英樹)が非常に面白い。



羽柴秀吉に仕えた実在の武将、仙石秀久を主人公とした彼の人生記であるが
最も注目すべきは不当に低く評価されている武将に光を当てていることだ。

まず主人公の仙石秀久からして一般にはほとんど知られていない存在だ。
だが織田家家臣として多くの武勲をあげ、本能寺の変以降は秀吉に従い、四国征伐、
九州征伐に従事。軍監として戦った戸次川の戦いに大敗し逃走したことで追放されるも
小田原城攻めで復帰して抜群の武功を残し現在の箱根・千石原にその名を残すこの男を
センゴクでは「戦国史上最も失敗し、挽回した男」として描いている。

もともと、世に言う歴史ドラマや歴史漫画では有名な大名を主人公にしたものが多く、
なかなか一武将には光が当てられない。またその大名の描き方も非常に陳腐、ステレオ
タイプなものが多く、「敵は本能寺にあり」など史実でも何でもなく現代の歴史小説家が
勝手に脚色した台詞や設定があたかも史実であるかのように語られるものが多い現状は、
残念ながらテレビ局にも出版社にも脳死野郎どもが多いと言わざるを得ない。

それでなくとも歴史の評価は勝者の側によって大きく捻じ曲げられていることが多い。
勝った側は自己の正当化のために自らを正しく良き存在として描き、敗者を不当なまでに
貶める。そんな中、なんの利害関係もない後世に生きる我々がするべきことは、ただ、
「正しく歴史を評価し検証する」ことに他ならない。

その意味でセンゴク外伝で描かれている人物、これがまた素晴らしい。

「今川義元」

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織田信長に桶狭間の戦いで討ち取られたあの有名大名である。織田信長をヒーローに
した物語の中では、単なる信長の引き立て役。そればかりか愚鈍な公家きどりの豚で
あるかのように描くものも少なくないが、これは全く正しくない。史実の今川義元は、
 ・一族の争いに勝利し五男でありながら今川家当主になり
 ・織田家を何度も撃破し三河を獲得
 ・今川仮名目録に法律を追加しさらに整備し、室町幕府から独立
と文武両方に秀でた、不世出の逸材である。さらには織田家が支配する尾張に進撃し
その領土をも飲み込もうとした絶頂期において、運悪く信長の奇襲に命を落としてしまう。
これが今川義元の真実である。

その義元を、愚鈍な人間として描いているドラマや歴史書があったら、それは100%、
信用のおけないストーリーだと思って全く差し支えない。そもそも桶狭間の戦い自体が
信長側から描かれたものしか記録がなく、近年の研究では信長の勝利自体が全くの偶然
(一説には信長がなんとか形勢を逆転させようと決死の自爆覚悟で突入したところが、
 たまたま義元の本隊であっただけ) であったという説も少なくない。

その意味で、センゴクは今川義元をきちんと評価している書籍として非常に価値が高い。
かねてより義元の評価の低さに憤慨していた私は、これを読んで幾度も快哉を叫んだ。

「センゴク」は陳腐なエセドラマに騙されないために現代人必読の書である。

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プロフィール




服部健太郎 / Kentaro Hattori
次世代映像プロデュースユニット
合同会社indeprox (indeprox LLC)
社長 兼 代表プランナー 28歳
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profile

-東京大学経済学部卒
 (東大卒アニメプロデューサー)
-元ソニーSONYテレビ戦略部門
 (服部半導体コンサルティング)
-株式会社ファンワークス創業者
-公認内部監査人CIA
-米国公認管理会計士CMA
-米国公認経営管理士CFM
-米国公認会計士USCPA合格
-SOMENの会 発起人代表幹事

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